◎「風情がある」と「情緒がある」
例えば、古い町を歩いていて、ある風景に出会い、その風景が醸し出す雰囲気に心を動かされて、しばらく眺めたりしたことはありませんか。
例えば、古い街並みの古い店から懐かしい音楽が流れて来る……そんな光景にしみじみとした心地よさを感じたりしたことはありませんか。
そのような時、そのような雰囲気を表現するのに、「風情がある」とか「情緒がある」と言ったりします。
風情も情緒も良い雰囲気を表す言葉で、置き換えができる場合も多いのですが、もちろん違いもあります。
風情は、そこにある風景について言います。客観的に雰囲気を捉えた表現です。
情緒は、風景や物事、人の営みなどが作り出す雰囲気について言います。主観的な感情が含まれた表現です。
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例如說走在古老的街區,與某個風景相會,這個景色所形成的氣氛讓心產生悸動,不僅是暫時眺望。又例如說,從老街上的老店傳來令人懷念的音樂…不是也會因如此的光景而感到心底暢快嗎?在這種時候,將這樣的氛圍表現出時,就會說「風情がある」或「情緒がある」。
風情或情緒都是表現美好氛圍的詞語,雖然能夠替換的場合很多,但當然也有不同之處。風情說的是關於這裡所在的風景,客觀的捕捉氛圍的方法,情緒說是將風景、事物、人們活動等等所創造出的氛圍,是包含主觀情感的表現。
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【風情】
→日本古来の美意識のひとつ。風景から感じられる上品で美しい雰囲気。
(日本自古以來的審美觀念之一,由風景所感受到,高雅、美麗的氣氛)
※京都の街並みは、独特な風情が漂っている。
(京都的街景,洋溢著特有的風情)
※このお寺の庭は風情があって、ずっと眺めていても飽きない。
(這座寺廟風情萬種,即使一直看也不會看膩)
※京都・嵐山の竹林は独特の雰囲気があって、すごく風情を感じるね。
(京都嵐山的竹林有著獨特的氛圍,能感受到十分不一樣的風情)
※淡水河の河口付近の川辺りには、とても風情のある散歩道がある。
(淡水河河口附近的川邊,有著一條特別有風情的步道)
※すすきを生けて、団子をお供えして、秋の月見は静かで風情がある。春の花見は「人混み」と「どんちゃん騒ぎ」ばかりで全く風情がない。
(芒草叢生供上團子,秋天的賞月閑靜又具風情,春天的賞花淨是混亂人潮跟嘈雜人聲,一點風情都沒了。)
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【情緒】
→風景や物事が生み出す心地よい雰囲気。その雰囲気がもたらすしみじみとした感情。
(由風景或事物所生出之令人心曠神宜的氣氛,帶來這種氛圍,)
「異国情緒」「日本情緒」「下町情緒」「江戸情緒」といった使い方をすることも多い。
(異国情緒」「日本情緒」「下町情緒」「江戸情緒」這一類的使用方法也很多)
※長崎は江戸時代外国との窓口だった。今でも異国情緒を感じる街並みが残っている。
(長崎自江戶時代就是對外的窗口,至今仍舊有許多令人感覺到異域風情的街景留存下來)
※地下鉄大江戸線「清澄白河」駅あたりは、江戸情緒豊かで写真を撮るのが楽しい。
(地下鐵大江戶線的清澄白河站附近,有著濃厚的江戶風情,非常適合攝影)
※富山・八尾の「風の盆」は、胡弓の哀切感に満ちた音色の中、無言の踊り手たちが町を練り歩く、実に情緒溢れる祭りだ。
(富山縣月中八尾的歐瓦拉盂蘭盆節,再充滿哀戚感的胡琴音色中,沉默的舞者們,遊行過小鎮街道,真的是情感滿溢的祭典)
※浴衣で花火見物か! 情緒があるね。
(穿著浴衣看煙火,真是有風情呢!)
※天母には日本情緒が感じられるレストランが何軒かある。
(在天母有幾家感覺得到日式風情的餐廳)