◎本音(ほんね)と建前(たてまえ)
日本人は「本音と建前」を使い分ける国民だと言われます。
日本人被說是會根據場合而使用「真心話和場面話」的民族。
例えば、保険会社の人から生命保険を勧められたとします。一通り説明を聞いた後、多くの人は「考えておきます」とか「検討させていただきます」などと答えます。
例如,假設保險公司的人推薦人壽保險。 聽了一遍說明後,很多人會回答「我會考慮的」、「請允許我討論」等等的回覆。
この言葉を言葉どおりに解釈すると、"今ここで結論を出せないので、よく考えてから返事をする"ということになります。確かにそういう意味で「考えておきます」と言う場合もあるでしょう。しかしかなりの確率で、「考えておきます」は「お断りします」を意味しているのです。
如果按照語言來解釋這句話的話,就是“因為現在還不能得出結論,所以要好好考慮之後再回答”。 確實也有從這個意義上說“我會考慮的”的情况吧。 但是有相當大的概率,「我會考慮的」是「拒絕」的意思。
「本音」とは、嘘のない本当の気持ちのことです。この場合「お断りします」が本音で、「考えておきます」は建前です。
「真心話」是指沒有謊言的真實心情。 這種情況下,「謝絕」是真心話、「考慮一下」是原則。
なぜその場ではっきり断らないで「考えておきます」などと言うのでしょうか。それは、断ることの申し訳なさや、できるだけ相手を傷つけたくない気持ちがあるからです。説明してくれたことへの感謝もあります。「建前」は「嘘」ではなく、相手の気持ちを考えたうえでの配慮・気遣いなのです。何だか分かりにくい感覚ですね。日本人でも「メンドクサー!!」って思うときがあります。
為什麼不當場明確拒絕卻說「我會考慮」呢。 那是因為拒絕中包含著抱歉和儘量不想傷害對方的心情。 也有對我說明的感謝。 「場面話」並不是「謊言」,而是考慮到對方的心情後的關懷和關心。 總覺得很難理解。 日本人有時也會覺得「メンドクサー!!」。
本音と建前を使い分ける傾向は、面白いことに関東より関西の方に強いようです。その中でも特に京都には建前文化とも言える強烈さがあります。京都で「考えさせてもらいます」と言われたら、ほぼ100%断られたと思っていいでしょう。
根據場合而使用真心話和場面話的趨勢,有趣的是關西比關東更强。 其中,特別是京都可以說是建前文化特別强烈的地方。 如果在京都被說「讓我考慮一下」的話,幾乎可以認定是100%被拒絕了。
京都での建前の言葉と、その本音の例をいくつか紹介します。京都弁は標準語に直しました。
我來介紹一下在京都的場面話和真心話的幾個例子。 京都方言改成了標準語。
※もう一杯お茶どうですか?
←そろそろ帰りなさい。
※再來一杯茶怎麼樣呢?
差不多該要回去了吧。
※お茶漬け食べませんか?
←そろそろ帰りなさい。
※不吃茶泡飯嗎?
差不多該要回去了吧。
※お隣の娘さん、ピアノが上手になりましたね。
←ピアノの音がうるさくて迷惑だ。
※隔壁的女兒鋼琴彈得很好呢。
←鋼琴的聲音很吵,造成麻煩了
※元気なお子さんですね。
←子供を静かにさせろ!
※這是個很有精神的孩子啊。
←讓你的孩子安靜下來!
※その服きれいな柄ですね。
←派手過ぎる。
※那件衣服的花紋好漂亮啊。
←太過華麗了。
※いい香りの香水ですね。
←匂いがキツ過ぎる。
※好香的香水啊。
←味道太重了。
※お部屋、綺麗にしてますねぇ。
←部屋が汚い!掃除はちゃんとしなさい。
※房間很漂亮呢。
←房間很髒! 你要好好打掃衛生。
※丁寧な仕事してますね。
←遅い!
※認真且細心的工作著呢。
←太慢了!
京都人の名誉のために言っておきますが、京都人は皮肉やイヤミが多いということではありません。ズケズケ本音を言うことを避けて、遠回しに気持ちを伝える傾向が強いということです。
為了京都人的名譽先說一下,京都人並不是諷刺和討厭的人很多。 避免直截了當地說出真心話,委婉地傳達心情的傾向比較强。